飲食店にとって、休日やランチタイムなど、決まった時間の混雑は避けられない問題です。長い待ち時間はお客様にとって大きなストレスとなり、混雑によるトラブル対応はスタッフの神経をすり減らします。このような混雑にまつわるトラブルを効果的に解消することができる整理券システムが、じわじわと飲食業界に浸透しつつあります。こちらのコラムでは、整理券システムの主な機能やおすすめのサービスについて紹介します。
整理券システムとは
整理券システムとは、店内端末やお客様のスマートフォンなどで整理券を発行して順番を管理するシステムです。順番の進み具合を店内モニターに表示したり、順番が近づいたことをお客様のスマートフォンなどに自動で通知したりすることができます。整理券システムがあれば、お客様は自分の順番が来るまで車の中でリラックスして過ごしたり、別の用事を済ませたりすることも可能です。お店にとっても、ウェイティングボードの管理や呼び出しの手間がなくなり、スタッフが配膳や調理など本来の業務に集中できるようになります。
整理券システムの主な機能
整理券システムでできることは多岐にわたります。以下に主な機能を3つ紹介します。
来店受付・順番管理
整理券システムのメインの機能は、来店受付をして順番を管理することです。システムがあれば、対面でのやりとりなしで、店内端末やスマートフォンなどで受付を済ませることができます。混雑時には、聞き間違いや読み間違い、順番飛ばしなどのミスが起こりやすいもの。受付や順番管理を整理券システムに任せることができれば、スタッフの業務負担を大幅に減らせます。
自動呼び出し
整理券システムで受付を済ませた後は、システムが自動で順番が近づいたことをお客様に知らせてくれます。店内ディスプレイ、SMS、電話、LINE、専用アプリなどシステムによって対応している呼び出し方法が異なります。年配の方などスマートフォンに不慣れなお客様が多い店舗では、電話による呼び出しがおすすめです。若い世代が多い店舗では、電話よりもLINEなどに対応しているシステムを選ぶとスムーズに運用できるでしょう。
プロモーション
整理券システムによっては、お店を利用したお客様にメールマガジンやクーポンを配信できる機能が付いています。これまでの順番管理では、お客様がお店を出てしまえば途切れてしまっていたお店とのつながりを継続的なものにすることができます。
整理券システムの種類
整理券システムにはさまざまな種類があります。以下にそれぞれの機能を紹介します。
マルチタイプ
業界を問わず、さまざまな店舗で活用できる汎用性の高いタイプです。来店受付・順番管理に加え、プロモーション機能、売上動向のレポート機能などさまざまな機能が搭載されています。中には、予想待ち時間表示や日時指定予約などに対応しているシステムもあります。
業界特化タイプ
飲食店、美容室、病院など、特定の業界に特化して開発されたシステムです。飲食店向けのシステムなら、POSレジと連携して自動で注文履歴を残すことができるなどの特徴があります。使える機能はマルチタイプに比べると少ないけれど、複雑な初期設定なしで使い始めることができるという場合が多いです。
Ｗebタイプ
紙の整理券を発行せずに、スマートフォンやタブレット上で受け付けし、デジタル整理券で順番管理をするタイプもあります。ただ、スマートフォンを使い慣れていない、持っていないお客様が来店した場合、どのような対応をとるのか検討しておく必要があります。
飲食店で整理券システムを使うメリット
整理券システムを導入すれば、飲食店にはさまざまなメリットがもたらされます。以下に主要なメリットを3つまとめます。
機会損失を防ぎ売上アップ
長時間待たされるのは誰しも嫌なもの。店の前に長い列ができているだけで「混んでいるからやめておこう」と、来店を見送る人は少なからずいるでしょう。整理券システムを使ってスマートに順番を管理すれば、店舗前に行列ができたり店内が人であふれたりというような事態を回避でき、機会損失のリスクを最小限にすることができます。オンラインで受付できるシステムであれば、店に向かう道中で受付を済ませて待ち時間を最小限にすることもできるため、待たずに利用したいというお客様には大きなアピールポイントになるでしょう。
順番にまつわるトラブル回避
混雑時の順番待ちには、トラブルがつきものです。「割り込みされた」「あと何分待てばいいのか」など、お客様対応にあたるスタッフには大きなストレスがかかります。整理券システムを導入すれば、受付から呼び出しまですべてシステムが行ってくれるので、割り込みなどのトラブルは起こりません。システムによっては予想待ち時間を表示できるものもあります。お客様もスタッフも待ち時間に感じるストレスを軽減できるでしょう。
お礼クーポンでリピーター獲得
整理券システムを使ってお店を利用したお客様に向けて、クーポンやメールマガジンを配信するなど、従来の手作業の受付では得られなかったリピーター獲得のチャンスをつくることができます。飲食店にデジタルツールの導入が進むにつれて、各店舗の集客方法も多様化しています。競合店舗に遅れをとらないためにも、新しい集客方法に挑戦できるというのは大きなメリットです。
飲食店で整理券システムを選ぶときのポイント
整理券システムは、種類によって搭載されている機能や利用料金、使い心地などがさまざまです。スムーズにシステムを導入し、うまく活用していくには、自店にあったシステムを選ぶことが重要です。以下にシステムを選ぶ際のポイントをまとめます。
導入の手軽さ
整理券システムによって、タブレット端末、発券機、ディスプレイなど必要な機器が異なります。また、導入時の初期設定の複雑さもまちまちです。システムを選ぶときは、どの程度の負担まで許容できるかを考え、設置する機器の数、設定の手軽さなどを確かめましょう。システムによっては提供する企業が設定などをサポートしてくれるものもあるので、「忙しくて時間が取れそうにない」というオーナー様は、サポート体制がしっかりしているシステムを選ぶのがおすすめです。
導入コスト
整理券システムは、無料で利用できるものから月々の利用料金が発生するものまであります。無料で利用できるものは、気軽に導入することができますが利用できる機能は有料のものに比べると限られます。一度、導入してから別のサービスに変えるというのは、お客様にとってもスタッフにとっても混乱のもとになります。安易に無料のシステムを導入せずに、必要な機能が搭載されているかしっかりと見極めるのがおすすめです。
導入実績
整理券システムを導入後、システムトラブルなどで営業中に使えなくなってしまったというようなことがあれば大きな混乱につながりかねません。また、お客様の個人情報を取り扱う使うデリケートなツールでもあります。システムを選ぶときには、提供している企業の実績や評判を調べ、技術・セキュリティの面で安心できるかどうかを確かめましょう。
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