多様な決済手段が選択できる現代において、飲食店でのお客様の満足感は、料理やサービスだけでなく、決済システムにも大きく左右されます。飲食店の決済システムは、単なる支払い方法ではなく効率性・快適性・お店の競争力を左右する大切な要素となっています。スマートフォンの普及やテクノロジーの進化により、決済システムをとりまく現状は刻々と変化しています。こちらのコラムでは、飲食店の決済システムについて、普及率や選び方を含めて、詳しく解説します。
飲食店経営を改善する決済システムとは?

飲食店でどのような決済システムを導入するかは、経営改善の重要な鍵です。キャッシュレス決済の導入・運用をサポートする決済システムを活用することで、会計業務の最適化、店舗の競争力強化が可能です。決済システムを使って、電子マネーやQRコード決済への対応を進めることで、顧客の利便性は飛躍的に向上します。そして、決済システムを導入すれば、現金管理の手間やリスクが減り、店舗にとっての利点も大きいです。
飲食店の決済システム導入率はどのくらい?

外国に比べるとキャッシュレス決済の浸透が遅れていると言われている日本でも、キャッシュレス決済導入の動きは確実に広がっています。政府が2025年までにキャッシュレス決済比率を4割程度まで引き上げることを目標に掲げたことなどもその動きを後押ししています。
経済産業省が2021年に行った「キャッシュレス決済実態調査アンケート」では、8割以上の飲食店がキャッシュレス決済を導入していることが明らかになっています。業種別にみると、飲食店のキャッシュレス決済導入率は、小売業、観光業に次ぐ高さです。
決済手段別にみると、飲食店の場合、クレジットカードが58%ほど、交通系電子マネーが33%ほど、非交通系電子マネーが32%ほど、QRコード決済が68%ほどとなっています。キャッシュレス決済の定番とも言えるクレジットカードを抜いて、コード決済の比率が高くなっています。コード決済は、1000円~3000円程度の客単価が低めの店での導入率が高いのが特徴です。
また、日本政策公庫が行った「外食に関する消費者調査」では、飲食店での支払いはキャッシュレス決済をできるだけ利用したいと回答した消費者の割合が過半数を占めました。できるだけ利用したいと答えた割合を性別・年代別にみると、女性60代が約59%と最も高く、次いで、男性20代・30代、女性50代が同数の約56%でした。また、クレジットカード、電子マネー、PayPay、ApplePay、楽天ペイなど、どのキャッシュレス決済を利用する人でも、3割以上が飲食店でキャッシュレス決済が使えず不便に感じたことがあると回答しています。
キャッシュレス決済が使えないことによる機会損失を防ぐためにも、飲食店がキャッシュレス決済導入を検討することは重要な課題といえるでしょう。
飲食店の決済システムの種類

キャッシュレス決済には主に、クレジットカード決済、デビットカード決済、電子マネー決済、QRコード決済の4種類があります。以下でそれぞれの特徴を整理します。
クレジットカード決済
クレジットカード決済は、飲食店など実店舗での会計をはじめ、ネットショッピングなどさまざまなシーンで利用可能で、ポイント還元や旅行保険などの付帯サービスが豊富です。支払いは後日引き落とされます。古くから使われている決済手段で、年代を問わず利用頻度が高いです。
デビットカード決済
デビットカード決済は、支払いと同時に顧客の口座から即時引き落とされるため、審査が厳しくなく学生でも持つことができます。店舗が用意する決済端末はクレジットカードと共用可能です。
電子マネー決済
電子マネー決済は、特にSuica、PASMOなどの交通系やWAON、nanacoなどの流通系が普及しています。専用端末にカードやスマートフォンをかざすだけで決済が済ませられるスピード感が魅力です。
QRコード決済
QRコード決済は、スマートフォンを使った簡単な支払い方法で、若い世代に特に人気が高いです。専用端末が不要で、導入コストが低いのもポイントです。
飲食店で決済システムを導入するメリット

飲食店が決済システムを導入するメリットは多岐にわたります。以下で、項目別にメリットを紹介します。
複数の決済手段を一括導入
決済システムを利用することで、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済など、さまざまな支払い方法に一括で対応することができます。これにより、申し込みや審査の手間を最小限に、キャッシュレス対応を進めることができます。
経理の効率化
複数の決済手段を個別に導入した場合、売上金の入金タイミングが異なりますが、決済システムを利用すれば入金を一本化でき、経理処理が明確になります。さらに、すべての決済手段の明細をまとめて確認できるシステムを選べば、経営状況の把握や事務作業の効率もアップします。
スペースとコスト削減
決済システムによっては、1つの端末で複数の決済手段に対応可能です。クレジットカードの読み取り端末、電子マネーのタッチ端末…と、複数の端末をレジ周りに設置する必要がなく、スペースと導入コストを節約することができます。
飲食店で決済システムを導入するデメリット

キャッシュレス決済は、今や飲食店の経営において欠かせない存在となっていますが、導入の際には以下のようなデメリットも考慮する必要があります。
決済手数料がかかる
キャッシュレス決済サービスでは、取引金額の約3%程度が手数料として発生します。例えば、月間売上500万円の飲食店の場合、月に15万円、年間では180万円もの手数料負担が生じる計算です。そのため、利益率の低い飲食店の場合、この手数料は大きな負担となる可能性があります。さらに、複数の決済サービスを導入する場合もそれぞれの手数料率を把握して管理する必要があり、経営状態の把握が難しくなる恐れがあります。
導入の際にコストがかかる
決済端末やレシートプリンターといった機器の購入費用は、備わった機能やブランドによって大きく異なります。一般的な決済端末の場合、一台で数万円ほどの費用となりますが、複数台導入する場合はそれに比例してコストも増加します。また、これらの機器を使用するための通信料が発生する点も頭に置いておきましょう。さらに、キャッシュレス決済の種類が増えればそれに対応する設備も必要となり、初期投資にかかるコストがさらに膨らむ可能性もあります。
入金までに時間がかかる
キャッシュレス決済では、お客様の支払いから実際に店舗の口座に入金されるまでに、数日から1週間程度のタイムラグが生じます。この入金までの期間は決済サービスによって異なりますが、特に小規模な飲食店にとって、この入金タイミングの遅れは日々の経営管理に影響を与える可能性があります。
飲食店で導入する決済システムの選び方

いざ、決済システムを導入しようとしても種類が多く、どれを選べばよいか悩んでしまうということも少なくありません。決済システムを選ぶときに確認しておきたいポイントを4つ紹介します。
決済手段の豊富さ
現代のキャッシュレス決済手段は多様化しており、お客様のニーズに応えるためにはなるべく多くの決済手段に対応することが望ましいです。代表的なクレジットカード決済に加えて、電子マネーやQRコード決済への対応を進めることも、お店の競争力を下げないために必要です。検討している決済システムがどの決済方法に対応しているかを確認しましょう。
決済端末、管理ツールの使いやすさ
提供される決済端末や管理ツールの使いやすさも選定の重要なポイントです。さまざまな決済手段に1台で対応できるオールインワン端末や、一元化されたWEB明細など、会計オペレーションや事務処理を効率化する機能の充実度を確認しましょう。
セキュリティ
クレジットカード情報などの重要な個人情報を取り扱うため、セキュリティ対策はとても重要です。不正アクセスやデータ漏洩が発生すると、お客様の信頼を一度に失ってしまう可能性があります。不正アクセスやデータ漏洩などの対策がしっかりとなされていることを確かめましょう。
信頼性と実績
決済システムを利用する際には、売上金を一時的に預けることになるため、業者の信頼性も重要です。倒産などのリスクを避けるため、業者の実績、過去のトラブルや問題の有無を確認し、安心して利用できる会社かどうかを見極めましょう。
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