飲食店の経営を成功させるためには、売上や利益をしっかりと分析することが大切です。そのような時に役立つのが「abc分析」です。これは、メニューごとの売上や利益をもとに、商品をA・B・Cの3つに分けて管理する方法です。こちらのコラムでは、abc分析のメリットや、スムーズな分析をサポートするおすすめのシステムについて紹介します。
飲食のabc分析とは
店舗の実態を客観的に把握し、経営を効率よく行うために使われるのが「abc分析」です。abc分析では、メニューの売上や利益貢献度に基づき、各商品をA・B・Cの3つのランクに分類します。Aは高い売上と利益を生み出す優良メニュー、Bは平均的なもの、Cは低い貢献度の商品です。この手法を活用することで、どのメニューに力を入れるべきかが明確になり、より戦略的にメニューや販売計画を立てることができます。
abc分析で何がわかる？
abc分析では、売上データやコストデータをもとに料理やメニューをランク分けすることで、店舗にとって重要な商品や顧客を明確にすることができます。
売上に大きく貢献している人気メニューが明らかになれば、そのメニューのPRを強化したり、売れ行きの悪い商品をメニューから外したりといった販売戦略を立てることができます。また、顧客データからリピーターや利用金額の大きい顧客を選定し、効率的な広告施策を展開することも可能です。
反対に効率の悪いメニューを特定できれば、販売中止や内容アレンジなどを検討し、コストの削減や運営効率化につなげることができます。食材の廃棄ロスを減らすこともできます。
abc分析の方法
では、abc分析の手順を具体的に説明します。
売上金額を並べ替える
各メニューの売上金額がまとまったら、高い順に並び替えます。
売上累計と構成比を計算する
各メニューが全体の売上に対してどのくらいの影響力を持つかを調べるため、売上累計構成比を算出します。まず、当該メニューの売上高＋上位メニューの売上高で「売上累計」を求め、売上累計÷全体の売上金額で「売上累積構成比」を計算します。
ABCにランク分け
「商品の売上高の80％は、ランキング上位20％の品目が生み出す」というパレートの法則を参考にして、メニューを「A」「B」「C」に分類します。一般的には、累積構成比80％までに入る商品はA、80～90％までの商品をB、それ以外をCとします。
abc分析のメリット
ABC分析は、飲食店の経営を成功させる上で非常に役立つ手法です。売上やコストに基づいてメニューや商品をランク付けすることで、店舗の現状を可視化し、店舗運営やプロモーションを戦略的に行うことが可能になります。ここでは、飲食店でのabc分析のメリットを5つに分けて紹介します。
重要なメニューの把握
abc分析の最大のメリットは、どのメニューが売上に大きく貢献しているかを簡単かつ客観的に把握できることです。Aランクに分類される売れ筋メニューは、メニューリストの目立つ場所に配置したり、店先でのプロモーションを強化したりすることで、さらに売上を伸ばすことが可能です。一方、Cランクのメニューは、提供の見直しや陳列スペースの縮小、在庫の削減といった施策を検討します。
コストコントロールの改善
abc分析を活用することで、メニューごとのコスト配分も最適化できます。重要なメニューにコストを重点的に割り振り、低貢献度のメニューではコストを削減するなどの効率的なコスト管理が可能です。これにより、無駄を省きながらも利益を最大化することができます。
在庫管理の最適化
abc分析は、在庫管理でも役立ちます。Aランクの商品は優先的に在庫を確保し欠品を防ぐようにします。一方、BランクやCランクの商品は在庫を減らし、Aランクの商品に資源を集中させます。こうすることで、品切れのリスクを最小限にしながら、過剰な在庫を抱えない効率的な在庫管理が可能となります。
ターゲット層の特定
abc分析を行うことで、それぞれのメニューがどの顧客層に支持されているかも見えてきます。顧客層を分析することで、より効果的なマーケティング施策やプロモーション戦略を展開することができます。たとえば、若者に人気のメニューの割引キャンペーンを学生の長期休暇に合わせて打ち出すなど、具体的で効果的な販売戦略の立案に役立ちます。
将来の戦略に活かせる
abc分析は現状の把握だけでなく、将来の戦略にも応用できます。たとえば、現状はBランクのメニューにアレンジを加えて、Aランクにランクアップさせるための施策を考えたり、Aランクの商品から連想される新たなメニューを開発して次の売れ筋商品を見つけたりといった取り組みが可能です。
abc分析を行う際の注意点
abc分析は、飲食店の経営改善に効果的なツールですが、活用する際にはいくつかの注意点があります。ここでは、そのポイントを紹介します。
定期的な見直しが必要
abc分析は一度行えば終わりではなく、季節やイベントに応じたメニューの見直しが重要です。たとえば、夏に人気のメニューが冬には売れないこともあるため、季節ごとに仕入れや販売計画を調整しましょう。定期的に分析を行うことで、タイムリーな対応が可能になります。
店舗ごとの違いを考慮
多店舗展開している場合、店舗ごとに人気メニューが異なることがあります。ある店舗で売れているメニューが、全体で評価が低いからといって削除してしまうと、その店舗のお客様満足度が下がることも。店舗ごとのデータも考慮して、慎重な判断が求められます。
Cランクメニューの見直し
Cランクに分類されたメニューは、必ずしも削除すべきとは限りません。Aランクメニューとのセット販売で需要がある場合、削除すると全体の売上が落ちる可能性もあります。お客様のニーズをよく観察し、セット販売やプロモーションの工夫を検討しましょう。
これらの注意点を押さえることで、ABC分析をより効果的に活用できます。
飲食店のabc分析ならResty(レスティ)がおすすめ
飲食店でのabc分析を効果的に行いたいなら、予約台帳システム「Resty(レスティ)」がおすすめです。Restyは、予約管理システムとしてだけでなく、データを活用した売上・顧客動向の分析にも強みがあります。
CSV出力機能
Excelやメモ帳、Googleスプレッドシートなどさまざまなソフトで編集できる「CSV形式」で、予約データや顧客データを出力できるため、必要なデータをスムーズにabc分析に活用することができます。
ダッシュボード機能
蓄積された売上や顧客動向をグラフや一覧で表示できるダッシュボード機能があります。どのメニューが売れ筋か、どの顧客層が貢献しているかを視覚的に確認できます。abc分析に必要な情報を一目で把握できます。
POS連携
POSシステムと連携させ、喫食情報を顧客データに自動的に反映することができます。POSレジでの売上データが自動でリアルタイムに管理され、手間なく最新のデータを活用することができます。
これらの機能を活用することで、飲食店は効率的にabc分析を行い、より効果的な経営戦略を立てることができます。abc分析やデータ管理の効率化に関心のあるオーナー様は、ぜひ一度「Resty(レスティ)」の導入をご検討ください。